買うより安く済むっていうのが DIYの大きなメリットのひとつですよね。
ただ、材料選びを間違えると、買った方が安かった……ということにも結構なりがち。
そうならないために、コスト重視の素材を 紹介します。
以下の 3つです。
- SPF
- パイン修正材
- MDF
順番に解説します。
コスト重視のDIYの主力 SPF
SPFはスプルース、パイン、ファーの頭文字をとった北米原産の木材のこと。
要するにマツとかモミとか似た感じの針葉樹をまとめてSPFと呼んじゃおうってことです。
似たものにホワイトウッドという 北欧原産の針葉樹もありますが、これも大差ありません。
実際に何の木を使われてるかとかは ここではとりあえずどうでもよくて、重要なのはSPFはとにかく安いということ。
89×19×1820mmのサイズで、だいたい 200円くらいです。
なので SPFをうまく使うとかなり安く仕上がります。
具体例でいうと、キャンプ用に作った下の画像のテーブルの材料費(木材のみ)は2000円ちょっとでした。
ちなみに このテーブルの作り方は下記の記事で解説してます。
ワンバイ、ツーバイ規格
なぜSPFが安いのかというと、安い海外の木材を決まったサイズで大量に加工、生産してるからです。
決まったサイズというのが、1×4とか2×6とかといった名称の規格で、それぞれワンバイフォー、ツーバイシックスと読みます。
具体的なサイズを見てもらった方がわかりやすいと思うので一覧を貼っておきます。
規格 | 断面寸法 [厚さ×幅] | 規格 | 断面寸法 [厚さ×幅] | |
---|---|---|---|---|
1×1 | 19mm × 19mm | 2×1 | 38mm × 19mm | |
1×2 | 19mm × 38mm | 2×2 | 38mm × 38mm | |
1×3 | 19mm × 63mm | 2×3 | 38mm × 63mm | |
1×4 | 19mm × 89mm | 2×4 | 38mm × 89mm | |
1×6 | 19mm × 140mm | 2×6 | 38mm × 140mm | |
1×8 | 19mm × 184mm | 2×8 | 38mm × 184mm | |
1×10 | 19mm × 235mm | 2×10 | 38mm × 235mm | |
1×12 | 19mm × 286mm | 2×12 | 38mm × 286mm |
ワンバイ材は厚さ19mm、ツーバイ材は厚さ38mmで、これが 6フィート(約1830mm)とか12フィートとかで売ってるわけです。
ごちゃごちゃになりやすいので整理しておくと、
SPF:材質(マツとか)
ワンバイ:19mm×89mmのようなサイズの規格
です。
なので、もしかしたら国産ヒノキのワンバイ材なんていうのもあるかもしれません。知らんけど。
ただ、通常 SPFやホワイトウッドと呼ばれる材料は ワンバイ、ツーバイになってるので SPF=ワンバイ材、ツーバイ材という認識で問題ありません。
ちなみに輸入品なので結構値段が変動します。
ウチの近所のホームセンターでは、ワンバイフォーの6フィートが 200円を切ってると安い、248円だとちょっと高いかな といった感じです。
よく行くホームセンターで値段の変動幅をチェックしておくと、お得に買えるかもです。
SPFの選び方
安いSPFですが、欠点は粗悪なものも多いということです。
ホームセンターでは大量に山積みされているので、 よく見て選びましょう。
選ぶポイントは下記の通りです。
- 節、傷、ヤニのないのを選ぶ
- 反り、ねじれの無いのを選ぶ
節、傷、ヤニは見た目ですぐわかると思いますが、問題は 反りや、ねじれです。
反りやねじれはパッと見でわからないので、節の無いキレイなの見つけた!って買って帰ったら、めっちゃねじれてたって事が良くあります。
選んだ木材を一度平らな床の上に置いて確認しましょう。
広くて厚い板ならパイン集成材
本棚みたいに奥行きのない棚なら 1×6とかでいけますが、机みたいな広い板はSPFにはありません。
SPFだと1×12の 286mmが最大の幅なので。
というか1×12は結構高くつきます。
広い板を使いたいときはパイン集成材という選択になります。
パイン集成材の特徴
- 広い厚い板が比較的安価で手に入る
- 反りや ねじれが少ない
- 15mmより薄い板は無い?
- 柔らかく加工がしやすい
わかりやすくいうと、パイン(松)の角材を接着剤でつなぎ合わせた板なので、比較的安価で幅、厚さを大きくすることができます。
SPFのように一本の木ではないので、反りやねじれも 少ないです。
どこのホームセンターにも置いてあって 入手しやすいですが、薄い板は 無く 15mmより薄い板は みたことがありません。
あと 日にあたると あめ色に近くなってくるのも特徴です。これはSPFもですが。
とにかく安く加工しやすいMDF
MDFは木を細かく砕いて接着剤で圧縮して固めた材料です。
上の画像のように木目はなく、木というより紙に近い感じの材料です。
MDFの特徴
- 加工しやすい
- 反りや ねじれはない
- 表面が 滑らかで 平ら
- 安くて、ダイソーでも買える
- 見た目がイマイチ
- 重いものがのせられない
- ネジは効かない
- 水に弱い
見た目がイマイチなので あまり見えるところに使う板ではないです。
反りやねじれがなく、滑らかな平面で、切ったり削ったりも楽、と 非常に扱いやすい板なんですが。
ネジが効かなくて 接合が接着のみとなるので、大きな荷重のかかるものには使えないのも残念。
カラーボックスに本をぎっしりのせてたら、棚板がたわんで戻らなくなった なんて経験はないでしょうか?
木のように繊維が通ってないので、張りがなく長時間重いものがのってると戻らなくなります。
これも重いものが のせられない理由です。
MDFの用途
デメリットが目立つMDFですが、ダイソーで買えるくらい安く、加工もしやすいのでうまく使えれば大幅にコスト削減することができます。
ではどういうところで使うといいかというと、引き出しです。
棚を自作しようとしたときに特にコストがかかるのが引き出し。数を増やせば増やすほど高くなります。
下の画像のように正面に見える化粧板は 無垢やパイン集成材を使って、引き出しの本体は MDFにすると安く済みます。
MDFは表面が滑らかなので、特にレールがつけられない 小物入れなんかでは スムーズな出し入れができて一石二鳥です。
番外編:安くはないけど薄い板ならシナ合板
先に紹介した 3つの材料より少しコストは高めになりますがシナ合板もおすすめです。
パイン集成材は15mmより 薄い板がないので、そんなときは シナ合板がいいです。
シナ合板の特徴
- 表面がキレイで滑らか
- 反りや ねじれは少ない
- 厚さは2.5mmから
- コストやや高め
いわゆるべニア板ですが、シナ合板は表面がキレイで見える箇所にも使えるのが特徴です。
合板には ラワン合板というものもあって、表面が荒く見た目も悪いです。
下の画像の左がラワン合板で右がシナ合板です。
シナ合板よりラワン合板の方が安いですが、見た目的に表面には使えません。
それだったらMDFを使った方が安く済むので、ラワン合板を選択する場面はほとんどないと思います。
シナ合板には厚さが15mm以上のものもありますが、置いてる店も少なく 結構高価な材料になってくるので、厚さ15mm以上はパイン集成材、それ以下の厚さはシナ合板という使い分けがおすすめです。
まとめ
というわけで、コスト重視の材料と使い方について紹介しました。
DIYでは材料選びでコストが全然変わってきます。
なるべく安く作るポイントをまとめると
- 一番安いのはSPFなので、なるべくSPFを使う
- 広い板材が必要ならパイン集成材
- 引き出しなどの見えないところにはMDF
使う場所によって材料を使い分けるのが安く仕上げるコツです。
見える場所と見えない場所での使い分けはもちろんですが、たとえば棚をつくるときに全部パイン集成材でつくるより、棚の側面をSPFをにすると安くできますよ。